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「日本の伝統産業は変わらなくてはいけない」

1647年(正保4年)より有田の地で焼物を手がける、(株)百田陶園の社長、百田憲由さんはそう切り出しました。
百田陶園は、1616 / arita japan コレクションの製造元であり、前身となる百田家は1647年(正保4年)~1871年(明治4年)まで、鍋島藩有田皿山代官所統括のもとで、窯焼きの仕事に従事していました。

東京・丸の内にオープンした、パレスホテル東京のホテルアーケードへの出店をきに、有田焼・百田陶園の挑戦が始まります。
そして、コンタクトを取ったのが、プロダクト・空間デザイナー、柳原照弘さん。
また食生活が多国籍化してきている昨今、海外の食生活を熟知したうえでの感性が必要と考え、オランダ人デザイナーのショルテン&パーイングスとも手を組みます。
ここから先、血のにじむような努力の毎日が始まります。
原料、成型、釉薬…、
焼物の基本のすべてを見直すべく、有田焼の各工程のスペシャリストを招聘するも、なかなか理解してもらえない。
「新しいものを創るということは、過去の概念を捨てるということ」
職人にそう言い聞かせながら、百田さんは自分自身を鼓舞していたそうです。
こうして血のにじむような努力の結果生まれたのが、「1616 / Arita Japan」。

2012年に有田焼を世界へ伝える新ブランドとして立ち上げた 1616 / arita japan は、同年のミラノサローネに初出展し、世界中のデザイン関係者から、高い評価を得ることができ、現在はヨーロッパを中心に、11カ国以上で展開しています。

柳原 照弘
「考えて作り出されたものはあくまで結果であり、そのプロダクトが生まれるまでの経緯がすごく重要だと考えている」
1976年 香川県高松市生まれ。
2002年自身のスタジオを設立。
「デザインする状況をデザインする」という考えのもと、世界各国のクライアントと共に、国やジャンルの境界を超えたプロジェクトを多数手がける。

Scholten & Baijings(ショルテン&バーイングス)
ステファン・ショルテンとキャロル・バーイングスの二人で、2000年デザインスタジオを設立。
細やかなリサーチにより、物の背後に潜む文化的、芸術的コンテクストを探りながら、鮮やかな色彩と現代的な幾何学文様を巧みに使い、完成度の高いデザインを生み出す。

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